百鬼夜行と暴走族 弍
ひそひそ話していたのが聞こえたのかチッと舌打ちした。その舌打ちに涼たちはびくっとして獅蛇から距離をとった
恐ろしい…
「十六夜の舎弟にすりゃいいじゃねぇか」
「無理よ、私には琉威って可愛い子が居るから。ねー」
「ねー」
琉威の手をとって笑うと琉威も握り返して一緒に笑い、十六夜に抱き着いた
"くそっ、羨ましい"
声が聞こえたのは、無視しよう…
「あー、はいはい…宵美で手一杯だ。人間だぜ?余計手が掛かる」
ふふっと笑った十六夜は手を繋ぎ直して石段を降り始めた
「久しぶりに通るけど、やっぱり夜遅いのに賑やかね」
「来ないの?」
「えぇ、人間の世界にはあまり用が無いから―――ぁ、あの人たち」
十六夜が何かに気づいて見ているため琉威たちも見ると…居た