百鬼夜行と暴走族 弍
だが弟子入り志願者の二人は年上の男たちと何やらもめているようで、男たちの怒鳴り声が聞こえてくる。周りの人間も止めようとはせず避けて通るか笑って見ている
「ねぇ獅蛇、止めないと――」
十六夜が前に居る獅蛇に話しかけた時、ついに男たちと"弟子入り志願者"の殴り合いが始まった
「獅蛇、どうするの?」
優希が獅蛇に近づいて組んでいる腕に手をかけて不安そうな声を出した
「何が」
「何がって――」
「怖いのか?」
「だって…」
肩を竦めて俯いた優希は男からみたら可愛い。晴樹なら尚更……優希を見て獅蛇は呆れたように笑った
「よくそんなので暴走族なんてやってられるな。辞めろや」
おい――と晴樹が獅蛇の肩に手をかけようとしたが獅蛇はひらりと交わして男たちに向かって行った