百鬼夜行と暴走族 弍
放課後、皆でまた月映山にきて本家を訪ねたけど十六夜さんの姿はみえなかった
いつもなら呼んだら出てきてくれるのに……
あっ、天堂さんだ。右手を袖から抜いて懐から垂らしてる…やっぱり様になる
「こんにちは、天堂さん…十六夜さん居ますか?」
「おぉ…悪ぃな、出てんだよ」
駆け寄って尋ねると天堂さんが苦笑い気味に教えてくれた
「そうですか...」
「まだ夕刻だが帰った方がいい、この辺は物騒だからな」
「分かりました...」
残念だな…会いたかったのに
…やっぱり12年間も離れてたから毎日でも会いたいな
皆で山を下りてバイクに跨がる
「やっぱり何かあったのかな」
上の方で遠くて見えないけど本家を心配そうに見上げる優希
「朝、急いでたっぽいしな...」
「女神はやっぱり大変なんだな」
「......」