百鬼夜行と暴走族 弍


十六夜はそのときの朔の言葉を一言一句忘れず覚えている



忘れるはずがない


決して綺麗な場所ではなかった


戦場となっており辺りは煙が蔓延し、刀などがいくつも刺さり、死体の山がごろごろあり、そして怒号や武器音が鳴り響くなか、二人は手を繋ぎお互いの温もりを最期のときまで共有していた




朔が息をひきとって尚、しばらく十六夜は涙を流し、その手を放さなかったがそうもいかない



隙と言わんばかりに周りの妖怪はこぞって十六夜を襲う



だが十六夜に敵うものはいない。


十六夜は戦争が終わりを迎えるまで背中に朔を隠して庇いながら戦い続けた




十六夜は何とか璢美苓を封印し戦争は終わった



だが失ったものが大きすぎた.........



この一件が今も尚十六夜を苦しめている要因





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