百鬼夜行と暴走族 弍
声のする方に目を向ければそこには
「獅蛇...」
「よぉ」
獅蛇が岩の上に方膝を立て、その上に肘を乗せ、なんとも偉そうに座っていた
「そなたは昔も十六夜と居たな。仲間か」
「仲間っつうか、友達だわ」
アタシは百鬼夜行じゃねぇからな
と付け足しを忘れない
「獅蛇、どうして居るの」
「十六夜が近づいてきてるのがわかってよ、妙にお前ピリピリしてるもんだから気にならないわけがないだろ?」
「獅蛇たちの居る場所近くなの?」
「近いもなにも荒れ地を抜けた先だよ、宵美に任せてある」
それより、と話そうとする十六夜を制し
「そろそろ元に戻ったらどうだ」
自分の目を指した
獅蛇が現れて肩の荷が下りた
自分のなかで張りつめていたなにかがほぐれ、普段の綺麗な瑠璃色の目に戻った