百鬼夜行と暴走族 弍
とどめをさせる
「そなたに、敗北することが妾には屈辱っ、とどめを刺せ!弟の敵じゃろう」
「十六夜にご執心だったわりにはあっさりだな」
獅蛇は璢美苓を見下ろした
「ふん。もう妾に立てる力はない。こんな姿を世に晒して恥ずかしゅうて、生きていけぬわ。早くしろ」
刀を璢美苓から引き抜いたが、とどめを刺さず、それを鞘におさめた
「どうして、朔を.......?」
突然戦いをやめた十六夜に璢美苓は戸惑う
「.....今更だろう、妾はそなたらが憎かった。............そして、羨ましかった」
長年明かされることなかった本心
妾にはそなたと同じで昔から家族がおらなんだ、孤独だった
そんなとき、そなたの存在を知った
そなたは弟が居た。だが妾には......なにもない
仲睦まじいそなたらが羨ましかった