百鬼夜行と暴走族 弍



「ふふ、動かないと身体が鈍るようで嫌なの」


手を口に添えて笑う十六夜さん



綺麗だな、白夜叉も綺麗だったけどこっちのほうが断然いい


綺麗に笑う十六夜さんは白夜叉とは程遠いよ



俺がそんなことを思っていると


「十六夜、そなたまた動いておるのか」



と璢美苓がきらびやかな着物の裾を引き摺りながらやってきた



…やっぱり少し警戒心がある。皆も少し距離をとって様子を見る



そんなことを読み取ったのか十六夜さんは安心させるように璢美苓には分からないように、微笑んでくれた



「庭に降りて何をしておるのだ」


「ん~、日向ぼっこ」


「また倒れるぞ、早く入れ」


「もう少し」


「そなたは...無茶しすぎなのだ」


「......あなたが言うことではないです」


十六夜さんが呆れたように笑う



確かに......



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