死にたがりの魔法使いくんと死神ちゃん
「なぬ!?ここまで読んでくれるとは、お主もなかなか暇なのだな。良いだろう。わらわ、魔界の王、ルルベル=ダイ=マオー=ベルゼクス18世が相手をしてやるのだ」
「あれぇ?魔王ちゃん?何しているの?」
「おおっ!ユイ=キング=ディスワールド=ラストバークではないか!」
「え?何でフルネーム?」
「いや、せっかくこんな長い名前を考えたのだ、本編に1回だけの登場では読者も忘れているだろうと思ってのことだ」
「あ、それはありがとう」
「突然だがキング!実はお主は、作者が考えていた原案では存在していなかったのだ!」
「え…」
「お主は、この作品を書いている途中、いつの間にか登場していたそうなのだ!」
「え。じゃぁ、私は元々この作品に登場する予定はなかったってことかい?」
「うむ。その通りなのだ!作者によると、この作品はキャラたちが勝手に動いてくれていることが、ほとんどだったらしいのだ」
「へー。じゃぁ、タイトルにでかでかと魔法使いと死神って全面に出ていたのに、意外と2人の絡みが少ないのも、何か意味があるのかい?」
「それに関してはノーコメントだ。作者自身も薄々気付いておる。タイトルを変えた方が…と考えたこともあるそうだが、このままのタイトルでいくそうだ」
「ああ。つまり、話をとりあえず完成させたくて、だいたいの大筋で書いた作品だから、『ま、いいか』精神か」
「うむ。そうとも言うな」
「ほんと適当な作者だね」
「ユリア=デス=ノーベとエリスト=ウィッチ=クラフも、いい迷惑であろう。裏設定ばかり考えて、肝心の本編があれでは…」
「あ、そこもフルネームで言うのか」
「せっかくの機会なのだから、言っておかねば!」
「まぁ、そうだね」
「こんな作者の作品を読んでくれるなんて、読者に感謝しなければいけないのだ!」
「まぁ、私たちを生み出してくれた作者にもほんの少しの感謝を送っておこうか」
「そうであるな!ほんの少しだけな!」
「おっと、可愛い女の子たちが待っているから、私はそろそろ行くよ」
「………」
「睨まないでくれるかな?魔王ちゃん?」
「では、わらわも行くとするのだ」
「そこはスルーなのかい?」
「収集がつかなくなると思っての結果なのだ」
「…賢明な判断だと思うよ」
「そこのお主!こんな最後の最後まで読んでくれて感謝なのだ!」
「私からもお礼を言わせてもらうよ。ありがとう」
「今後も作者を生温かーく見守っていってくれると嬉しいのだ!」
「また、どこかで機会があれば会えるのを楽しみにしているよ」
「では、さようならなのだ!」
死にたがりの魔法使いくんと死神ちゃん(完)