暗闇の中
#001 憂鬱な日々
4月
さわやかな風がカーテンを揺らし、
鳥の鳴く声で私は目覚めた。
どうやら私は、
今日から高校2年生になるらしい
いつも通り支度をして、
セーラー服のリボンを結んでいると
インターホンが鳴った。
壁に取り付けられた機械には、
私の幼馴染コノハが
見飽きた笑顔でこちらを見ている。
そろそろ私の準備もできたのでドアを開ける。
「おはよう!」
いつも通りコノハは私に笑いかける。
私はそれを見なかったことにして、
足を動かした。
コノハは私を喜ばすためか知らないが、
一人でしゃべりだした。
「今日ミカゼの家に来るときガムを踏んで―――」
私はそれを聞き流して、足早に歩く。
人通りの多い駅に着いた。
コノハは人を避けるのに大変そうだ。
周りの人はコノハに気づかない。
『それはコノハは幽霊だからだ。』