暗闇の中
「せ、先輩それ本当ですか?」
シグレちゃんは私に聞いた。
私は一回うなずき、手を差し出した。
「うわぁぁあぁ!」ダッ
シグレちゃんは私の手をつかまずに廊下に出て行ってしまった。
「あっ!」
コノハが小さく叫んだ。
コノハがさらっとシグレちゃんを避けた。
シグレちゃんはコノハに気づかず思いっきり走って行った。
私は急いで黒板の文字を消す。
「言ったの?」
コノハは少し悲しそうな顔で私を見る。
「ごめん」カッカッ
私が黒板にそう書くと、コノハは少し私に微笑んだ。
キーンコーンカンコーン♪
1時間目終わりのチャイム。
担任が来ない。
シグレちゃんが帰ってこない。