君がいるから
「ねえ、晴輝見て」
姉は俺を自分の方に
手招きする
「なに?雪?」
窓を覗きこむと
そこには人が複数見えた
明らかに俺の家を
指差している
「家来るんじゃね?」
ピ-ンポ-ン
俺が喋った瞬間タイミングよくインタ-ホンが鳴った
「あ、分かった」
姉が何かひらめいた
ように言った
「なに?」
「隣の家空いてたじゃない?
引っ越しだわきっと」
「あ-かもね、
てかもう俺どうでもいい
早く飯食おう」
「だね、降りよう」
下に行くと案の定
引っ越して来た家族が
つまらないものですが、
と何かを手渡していた
「ああ千沙と晴輝!
ちょうど良かったわ-
こちら今引っ越してきた
お隣の相澤さん」
俺らに気づいた母さんが
手早く説明した
「こちらのお嬢さん
晴輝と同い年なんだって
仲良くして貰いなさい」
「俺が仲良くして
貰うのかよ」
呆れたように言うと
今まで母親の影で
見えなかった女の子は
「よろしくお願いします」と言って姿をあらわにした
そして、俺は
出会ったんだ
この後、俺を散々
悩ませる小さな君に