君がいるから


パタン…


部屋に戻りドアを閉めると
身体の力が一気に抜けた


「いつまで俺も
未練がましいんだよって」


俺は一つの写真をとって
そう呟いた

「優奈…だっけ」


『優奈っていいます!
今日からよろしく
お願いします!』


息を白くしながら
そう言った真っ赤な顔が
脳裏から離れない


「そっ…くりじゃん」


「ね-そっくり」


「うわああああああああ!」


振り返るとそこには
さっきまで下にいたはずの姉がドアを開けて立っていた


「なに、いつからいたの?」


「さっき」


「さっきっていつだよ?!」


「寒い-、廊下にエアコン
つけよう-って言ってたくせにドア開けたままにしてたのすら気づかないってどんだけぼ-っとしてんの(笑)」


「考え事だし!」

俺がむきになって言うと
姉は寂しげに笑った

「分かってる。
あの子、小夏にそっくり
だもんね……辛いね…」


俺は何も答えずに写真を
もう一度見た

そこにはまだ、何も知らずに幸せそうに笑う俺と小夏がいた


あの頃に戻れたら…
なんて思ったら小夏は
嫌がるだろうか……
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