俺の大好きなアイツ。
「き~りッたに♪ちょっと来て!」
俺はめっちゃニコニコで言った。
「…はぁー。何?また何の用?」
「あのさぁ!…」
「あっ…ごめん。次、移動教室だから」
遮られた…。
そして桐谷は友達と一緒に
行ってしまった。
でも、その友達が俺のことを
可哀想な目で見ていた。
…アイツら、事情知ってんな?
だけど、聞けない。
ってか、聞かない。
こういうのは、自分で解決したいから。
どーしよーかな。
誰もいなくなった32Hの前で
何かをずっと考えている俺は
周りから、かなり怪しい目で見られた。
…もしかして、アイツ、付き合ったのか?
だから、彼氏に勘違いされたくねぇから
俺を突き放してんのか…?
だって、好きな奴、いるんだろ?
泣きそうな気分を抑えて
教室に戻った。
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