俺の大好きなアイツ。
つーッと
一筋の涙が俺の頬に垂れた。
…さっき、止まったはずなのに。
そんな俺を見て、
風磨は一瞬、驚いた顔をして
無言でハンカチを差し出した。
「…いらねぇーよ」
「強がんなよ。…今日くらい」
フッと風磨は笑い
ハンカチで無理やり
俺の涙を拭いた
「…変なとこ見せたな……」
俺が言うと
「いいんだよ。そんだけ好きって思える人
 に出逢ったってことじゃん」
「……どーも」
俺と風磨は
その後の授業をサボって帰った。
もちろん、うちのババアに
説教くらったけど。
何かを感じとったみたいで、
いつもに比べて
緩い説教だった。
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