俺の大好きなアイツ。
ライバル多し。
何か、振られた立場としては
複雑なんだよな…。
まぁ、告った訳じゃないけど、
嫌いって言われたもんな。
はぁー。
「何で落ち込んでるんですかぁ?
 私、マズいこと言いました?」
「…落ち込んでねぇよ」
バレてる…。
俺、どんだけ、分かりやすいんだ。
キーンコーンカーンコーン
「あっ!じゃあ、私教室に帰りますね!」
「じゃあな」
チャイムに救われた気がした。
鳴っていなかったら
思い出していたんだろーな…
昨日のことを。
「…フッ」
こんなに悩んでいる自分が
馬鹿らしく思えて笑ってしまった。
…俺もこんなに悩めるなんてな。
勉強もスポーツも容姿も
全て完璧に、もらってきた俺にしたら、
こんなに悩んだことはなかった。
欲しいものは手に入るのに…
アイツだけは、手に入らない。
本当に欲しいものだけ……
俺から遠くなってゆく。
…恋なんか……したくなかった。
しなかったら、こんな思いはしなかった。
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