さよならの向こうには...
第1章 少女の死
わたしは、椎名美月(シイナ ミヅキ)。
双子の妹は、椎名美空(シイナ ミウ)。
透けるようなすべすべの白い肌、何もかもが華奢で、柔らかくてふわふわしていて…。
誰からも愛される魅力をもっていた。
ミウがそこに居るだけで、みんなが笑顔になった。
でもわたしは、ミウとは真逆で。
見た目は全く同じ。
でも…、ぜんぜん違くて。
わたしはいつも、レプリカでしかなかったから。
ミウがいれば、それでよかった。
ミウがいれば…、わたしはいなくてもいい。
ミウがそこに居たから、レプリカのわたしでさえ、ここにいることができた。