淫らな月
彼は頭を振って・・
「僕と同じ高校に行きたいって頑張ってた
から好かれてるって勘違いしたよ
僕が変装してダサくなったとたん
学校では秘密にしようって言われるし・・
それに彼が転校してくると
纏わりつくように仲良くしてる
所詮顔が良ければいいのさ・・
高山さんは僕がダサくても
仲良くしてくれるから違うだろうけど・・」
彼と付き合ってるのがばれた時点で
お前も顔だったのかと思われているだろうなあ
「斉藤君が好きなのって佐野さんでしょ」
彼の顔が赤くなる
「・・どうして知ってるの?」
「なんとなく・・彼らが話してるの
嫌な顔で見てたから私と同じかなって・・
好きな人がほかの人と仲良く話すのなんて
嫌だものね・・」
うんと頷いて
「気が付かれていたのか、
高山さんも鋭いねぇ
あいつとは幼馴染なんだ・・
中学の時僕がモテてるときは
あんな感じで纏わりついてきて
やきもちも妬いてたよ・・
今じゃ君と仲良くしようが知らん顔さ・・
結局顔だけだったんだ・・
モテる僕を自分の近くに置いて
自慢したかっただけなんだよ」
授業が始まる少しの間のおしゃべり・・
きっと彼には聞こえてるだろうけど・・
むしろ聞こえていて欲しい
イケメンも大変だ・・
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