淫らな月
嵐のような彼女が去ったあと・・斉藤君に
「本当に良かったの?
二人でどこか行きたいでしょ」
「そんなことはないけど・・
高山さんこそごめん・・
あいつわがままだから・・
もう手に負えないんだ」
そう言ってごめんと顔の前でポーズを作る・・
セイが私のところにきた・・
さっきのことを話した
「ふ~ん・・僕がいない時に来たね・・
何か魂胆があるかもね・・
僕は相手にしないけど・・」

ーーそして当日ーー
遊園地に行くということで
9時に学校がある駅で待ち合わせした
私とセイはもう9時だというのに
お兄さんの車の中・・
駅に着くまであと10分はかかる・・
待ち合わせ場所までプラス5分
というところか・・
さっき車に乗り込んで
すぐ美桜ちゃんと斉藤君には
15分ほど遅れると連絡した・・
お互いがわからないといけないから
斉藤君という
たぶん黒縁メガネをかけている男の子と彼女
斉藤君には美男美女のカップルだからと
補足を付けておいた・・
余計なことだったと後の出来事で痛感した・・
それぞれに時間を潰してもらえばよかった・・
特に美桜ちゃんたちには・・
ーー私たちが遅れた理由ーー
このところ休日にはかつらをつけていなかった・・
一緒にいるのはセイか美桜ちゃんたちだし
出歩くとしても私と特定されなければいいから
髪をお団子とかにしてまとめて
帽子の中に入れたりしていた・・
今日もそうするだろうと思った
小夜さんが気を利かせて洗ってくれてた
今日は佐野さんがいる・・
かつらを付けて変装しなければ
いけなくなってしまったのを言ってなかった
いざ用意をしようとしたときかつらが濡れてた
それが今から一時間前・・
急いで乾かしながら用意して
今・・少し生乾き状態・・
そしてやっと待ち合わせ場所に到着・・・

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