淫らな月
私の眼に飛び込んできたのは
うれしそうに大地くんにまとわりつく
佐野さんと困っている大地くん・・
泣きそうな美桜ちゃん、
ふてくされている斉藤君・・
「なんなの?これ・・」
「やっぱりこういうことか・・
大地目当てだったんだな」
どういうこと?
セイが言うには
彼女がダブルデートに混ぜてほしいて
言い出した前の日
うちの学校に偶然、サッカー部の用事来ていた
大地くんと帰りが一緒になった時に
今日の事が少し話題になったらしい
たぶんそれを聞いていたんじゃないか・・
大地もイケメンだし・・
僕がダメでも大地がいればと
思ったんじゃないか・・
「でもダブルデートっていったよ、
当然彼女が一緒にくるってこと
分かってるでしょ・・
斉藤君だっているのに・・」
「そんなこと・・あの女に関係ないと思うよ」
大地くんを屈ませて
耳元で言った彼女の小声が聞こえてきた
「今日・・これからどっか2人で行かない?
だめなら彼女たちと別れた後でもいいけど」
私とセイにはしっかりと聞こえた
私とセイは顔を見合わせた
「えっ・・それは・・ちょっと」
そう答えて大地くんは
歩いてくる私たちの姿を気が付いて
ほっとした顔をした
「添島、梅香ちゃん遅かったね」
泣きそうな美桜ちゃん…
私の大事な友達に許さない
「ごめんね、みんな、遅れて・・
斉藤君…気を悪くしたらごめんね…
ずっと彼女がほかの人に
まとわりついてるけどいいの?」
「ごめん・・止めたんだけど・・
いつもこうなんだ・・」
「斉藤君たちはいいかもしれないけど…
された方は迷惑してるよ
その彼女もだよそういうことも考えてね・・」
そして・・私は彼女のほうを向いて言った
「これからどっか行こうってどこ行くつもり?
私・・ダブルデートってあなたに言ったよね
それに割り込んできたんだよ・・
当然彼女持ちって分かるよね・・
大地くんには彼女である美桜ちゃんもいるし
あなたには斉藤君がいるのに・・
こういうことするんだったら帰ってもらえない・・
言っとくけどあなたがどんな色目を使おうと
大地くんにもセイにも通用しないよ・・
そんなことも気が付かないの?」
彼女は真っ赤になって
「何よ・・添島君をどんな手を使って
ゲットしたか知らないけど偉そうに
帰るわよ・・こんな面白くない人たち・・
一緒に居てもつまらないわ
明・・帰ろう・・」
また斉藤君にも媚びるように言う
斉藤君は「一人で帰れば・・
僕はもうお前のお守はもう御免だ・・
ほかの男にでも行ってくれ・・」と言った。




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