淫らな月
企み
いつもセイが送ってくれる道・・
前日から風邪気味で学校を休んだ
彼のお見舞いに寄って7時がすぎてしまった
今日は満月・・嫌な日に遅くなってしまった
こんなことなら彼の家に
看病がてら泊まればよかった
そんなことを考えながら歩いていた
だからだろうか・・
背後の影に気づくのが遅れてしまった
後ろを振り向き回し蹴り一発・・
一人がひるんだ・・
残り二人・・いけない少しクラクラしてきた
さっき何か顔のあたりにスプレーされた
睡眠導入剤入りのスプレー?
ここは餌場の近く・・
意識を失ったら最後だ
心の中と口でつぶやく
「助けてセイ」
近づいて来る男たちの手を払って
パンチを出しながら何度もつぶやく
「セイ・・セイ助けて・・男達に襲われる」
カバンを振り回し力の限り走った・・
もつれる足・・薄れる意識の中で携帯がなった・・
どこかに担がれて連れて行かれる・・
きっと餌場・・
セイ・・セイ・・幸せになれると思ったのに