淫らな月
キキー・・急ブレーキの音がした・・
ガタガタと大きな音がした・・
誰かが怒鳴っている・・
何かが建物にぶつかって揺れた
「梅香~・・梅香~どこだ・・」
愛しい人の声・・
「セイ・・ここ・・助けて」
ダメ・・声が出ない
もう一度
「セイ~・・セイ~」良かった出た
声の限りに叫ぶ
ガタガタ入口を開ける音・・
餌場はいくつかの部屋に分かれている
その一つの部屋に連れ込まれている・・
「そっ添島くん・・これはね
この男達に脅されて・・」
佐野さんが言い訳をしている
ガン・・何かを壁にぶつける音
「それ以上・・言うと殺すよ・・」
そして
「梅香からどけ・・お前・・」
上に乗っていた男が投げ飛ばされた・・
もうひとりの男が後ろから殴りかかってきた
「セイ・・危ない・・」
セイはその男を蹴った・・
男は後ろによろめいたのを
また蹴った・・
男は壁にぶつかって気絶した
「梅香・・大丈夫?遅くなってごめん」
と言って私の拘束を解いてくれた
「セイ・・熱があるのに・・大丈夫なの」
セイは急いで私の顔や体を見る
そして私のスカートの中に手を入れる
「良かった・・履いてる」
下着を履いてるか確認したんだろう
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