淫らな月
僕は佐野という女に常識の無さは感じたが
何かを企てるほどの狡猾さは感じなかった
呼び出して仲間といじめるぐらいだと
しばらく注意していたがそういうことは
なかった・・
斉藤にあれからどうなんだと聞いた・・
佐野はやはりその日に家にきたそうだ
いつもなら部屋に入れてしまう・・
それがいけないんだと言う
「体か・・」という僕に彼は赤くなって
「そう・・高山さんには言ってないけどね
僕の初めての相手なんだ、だから切れない
あいつはそれを知っていて体を使うんだ
でもこの前は上げなかった・・」
少し誇らしそうに言う斉藤に
「どうしてだ・・」
と聞いた
もしかして梅香のことが好きになったとか
「山口さんから聞いたんだ・・
西口君のこと、好きな人のために犠牲に
なるなんてこと僕には出来ないけど・・
そんな人たちもいるのに・・
山口さんが涙を流しながら話してくれた
高山さんだって二人を守ろうとしてるのに
あいつはその仲をさこうとした・・
イケメンを手に入れたいという欲のために
とっても汚い気がして目が覚めたよ・・」
「山口とはどうなってるの?」
また顔を赤くして
「何回かあって一緒に勉強したりしているよ
彼女といると落ち着くんだ・・
僕がイケメンじゃなくてもいいみたいだし
今は受験生だし付き合うとかはないけどね」







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