淫らな月
餌場は…
僕の家から梅香の家への帰り道 と途中まで同じでそこから山に向かって行ったところにあるそうだ…
アメリカなら車に乗れるのに
日本ではまだ18じゃないから乗れない…
移動手段は自転車だけ…
運の悪いことに今日は熱がある…
誠一さんは研究所にいて
すぐ餌場に向かってくれるそうだが
10分はかかるそうだ…
僕の家が途中で乗せて行くと言われたが
それまで待ってられない…
自転車で餌場に向かっていると
誠一さんから連絡があった…
やっぱり梅香は帰ってないそうだ…
僕は梅香の無事を祈りながら
ペダルを漕いだ…
空を飛べる能力が欲しい。
いつもなら屋根から屋根へ飛べるんじゃないかと思うけど…
体調を悪い自分が情けなくなる…
もし梅香は自分が何人もの男に
乱暴されたら僕の元から去るだろう…
そんなこと耐えられない…
どうか間に合って…
僕が餌場に着くと
少し遅れて誠一さんも餌場に着いた…
正直…一人では助けられないかも
…助かった…
僕は餌場に乗り込んだ…

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