淫らな月

~憧れの関係~

私は無事高校に合格した。
私の自宅の最寄りの駅からは5駅離れた学校・・
ここら辺じゃ一番偏差値の高い学校・・
夢に一歩近づいたようで嬉しい
私の家は人里離れたところにある
5駅も離れた学校となるとかなり遠くになるが
鼻が敏感な私は香水とか色んな人の匂いが耐えられない・・
普段は1時間かけて自転車で学校に通学している。
雨の日は早い時間の空いている電車で通学している。
雨の日の私の密かな楽しみ・・
今日も一緒だ
同じ駅から乗るカップル
気がつかれないように観察する
幼馴染だろうか?
まだ付き合ってはないようだ
お互いすごく好きなのが分かる・・
女の子が恥ずかしそうに男の子を見上げる眼・・
男の子が女の子を愛おしそうに見る・・
私もあんなふうに見られたい・・
電車が揺れて彼女のバランスを崩した背中を触れないようにカバンを使って抑える彼・・
恥ずかしそうにありがとうという彼女・・
あなたは知ってますか?彼が切なそうにあなたの頭にそっとキスするのを
きっと好きすぎて触れれないんだろう・・
気持ちがいじらしくて涙が出そうだった・・
体だけの関係を続けている汚い私だから余計にそう思うのだろうか?
話したこともない二人に幸せになって欲しい・・
そう思うようになった・・
羨ましい憧れの関係だった・・

それなのに・・それなのに・・




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