淫らな月
餌場に入ると狼族の男たちが…
一人は殴られたように口が切れている
まさかコイツらが梅香を…
そいつらに梅香は何処だと聞いた…
そこへふらふらとセイト君が姿を現し、
梅香は此処だといい…
梅香を抱き締め…抱き合ったまま
二人とも意識を無くしていた
セイト君は高い熱があった
梅香に乱暴しようとしたやつらを
引き取りにきた諒達に
手伝ってもらい家に連れて帰った…
彼が意識が無いのに
どうしても梅香の手を離さないのに
苦笑しながらも想いの強さを感じた…
彼が梅香の事を運命の人と言ったのは
言葉だけではなく真剣な気持ちだったんだ
彼は青い眼を持つ日本人…
梅香は赤い髪、赤い眼を持つ…
美しい二人だが遺伝的には有り得ないだろう
苦しんだんだろう…彼も…
やっと見つけた同じ痛みを持つ相手…
つがいのように寄り添う二人…
なんてお似合いなんだ…そう思い…
並んで布団を引いて寝かせた…
繋いだ手はそのままにして…
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