淫らな月
「小夜さんから?」たぶん、満月の夜のこと…
「あぁ…止めさせたいけど…
どうすればいいかわからない…ってね…
いけないことは誠一が一番よく分かっているから話し合えと言っただけだけどな…
彼が族長がいる前で誠一を問い詰めたそうじゃないか…小夜が素敵だったと誉めてたぞ
まぁ結果的にお母さんに愛されていたと分かったことで本来の誠一に戻って本当に良かったよ…
小夜のこともちゃんとしてくれたし・・
諒と俺は小夜は愛人で終わると思っていたから
それでも小夜は誠一のそばにいたいといったし
結局、諒は妹には弱いんだ」
「諒さんとは仲がいいんですか?」
「あぁ、俺が刑事であいつは裏社会にいるから
本当は敵対しなきゃいけないんだろうけど
でもどちらも狼族には必要なんだ…
諒は妹の小夜がいるから施設でも強く悪にならないといけなかった…
不良がそのままということさ
でもあいつは薬を売ったり殺しをしたりはしない…
だから俺は刑事になった。
誠一には医者になって欲しかったが研究のほうに進んだ…
族長は頭がいいのがやるのがいいんだ…
俺と諒じゃ…頭より体力だから…狼族とか狐族とか関係ないよ」
「知ってるんですか?お兄さんの秘密」
「あぁ…周知の事実だよ…
諒ももちろん知ってる…
俺達は狼族とか狐族とか関係なく手助けしていくつもりだよ。」
彼ら3人がいれば狼族も大丈夫だろう…
私は彼に「兄をよろしくお願いいたします」
と頭を下げた。
そしてかなり不機嫌な王子様の元に急いだ…
< 142 / 154 >

この作品をシェア

pagetop