淫らな月
夜中ふと目が覚めた…
見知らぬ部屋…私はベッドに一人…
彼がいない…怖くなった…
今までの幸せが・・
再会したこと・・結婚したこと
ぬくもりも・・
もしかして夢だった?
そんなはずないのに
おかしくなったの?わたし…
涙が出てきた…
セイ…名前をいいながら泣く
だんだん頭が覚醒してきた
そうだ…私…新婚旅行に来たんだった
彼が戻って来て抱き締めてくれた
どうしたの?
と心配そうに私の顔をのぞきこむ…
「ごめんなさい…寝ぼけてたみたい
知らない部屋に一人…
幸せ過ぎて怖いの
幸せが全て夢だったんじゃないかって
だって半年前まで私はあなたを思い出のなかで
思ってるだけだったのに…
結婚してるなんて…」
「僕もだよ…ずっと眠れなかった…
夢だったっておちだったらどうしようって」
「・・大好き・・セイ・・
セイのおかげでお兄さんとの関係も兄妹になれた気がする
幸せになっていいんだよね・・私・・」
「今まで・・僕たちはお互い幸せじゃなかった・・
僕はこの容姿を持って生まれたことを恨んだよ
・・でも・・
君と僕を引き合わせてくれたのもこの容姿だと思うと
この青い眼も好きになってきた・・
これから二人で幸せになろう・・
僕が青い眼で生まれたのも
君が赤い眼赤い髪で生まれたのも運命だったんだよ
こうやって一緒に幸せになるための・・」
そう言って私たちは抱き合って眠った・・
彼の温かい体が心地よかった











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