淫らな月
大地君が卒業してからまた美桜ちゃんの家に住みだした二人
車だと郊外にある大地君の会社にも取引先にも近いそうだ
今日はここに泊まらせてもらって
明日、掃除をしてセイの家に住み出すつもり
『ピンポーン』玄関のベルがなった
今頃誰?「ただいま・・」
やっぱり・・やけにあっさり帰国を許したと思ったんだ
「セイ・・帰ってくるなら一緒に帰ってくれればよかったじゃない
青を一人で見て大変だったんだから・・」
私は彼に文句を言う
「だって梅香が僕を置いて帰ろうとするから意地悪したいじゃない」
「セイには仕事があるでしょ・・
私はちょうど大学終わってたから
青と二人で帰るって言ったんじゃない」
セイのバカ・・と睨んだ
「まあまあ・・二人とも落ち着いて
ところで添島も今日はここに泊まれるか?」
「ああ・・そうしたい」
「じゃあ・・飲もう」
飲みだした男2人・・
飲めない私たちは紅茶を飲みながら
美桜ちゃん手作りのケーキを食べる
青は床にお座りしてテレビにくぎずけ
大地君の近況を聞いたセイ・・
「これは梅香にはまだ話してないことだけど
僕は生活の拠点を徐々に日本に戻そうと考えている・・
研究施設を家の敷地に建てようと思っている
梅香は肢体不自由な人のための器具の開発をしようとしているから
そのための作業場も用意し、ある程度の設備を整えたいと思っている・・
お前も休みの日でも梅香と一緒に開発しろ
二人で特許を取る・・
それをお前の会社に売ってもいい
お前は開発力を買われて異動できる・・
それを目標にやってみろ
案外、別の事をやってるといいアイデアが
浮かぶかもしれないぞ」
大地君は少し安心したようだ・・
上手くいくかどうかはわからないけどやってみようということになった
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