淫らな月
新しい関係

~不思議な関係~

年が明けて何日かして彼の家を見に行った・・
留守だった・・
その後も何回か行ったが留守だった・・
今回は長い滞在ということだったのか?
雨の日も駅で二人は見たが彼の姿は見なかった・・
でもまた満月の夜・・兄に抱かれたあと
悲しくて来てしまった・・
彼の部屋を眺めに・・部屋の主はいないというのに・・
道路から涙を流しながら見上げる私の足元に一匹の黒猫がすり寄ってきた・・
真っ暗闇のなかの光る眼にびっくりした
「えっ・・何?・・猫?」
見ると綺麗な黒猫だった・・眼が青い・・
彼が猫ならこんな感じかと思った・・
「お前はセイトが好きなのか?」どこからか声がする・・
どこ?見回しても誰もいない・・
いるのは私と猫だけ・・
「私だ・・お前の頭に話しかけている・・テレパシーというやつだ・・」
「まさか?・・」と猫を見る
「そのまさかだ・・」
「・・・」
「お前はセイトが好きなのか?」
「はい・・」猫になんで素直に答えるのか疑問だけど声を出して答えた
「そうか・・素直だな・お前・・私は青という・・
私はお前も聞いたことがあるだろう・・お前たちの祖先だ・・ある女を探して何度も生まれ変わっている・・今回は猫だ・・」
じっと見つめる私・・
「さむいな~ここで立ち話もなんだ・・付いてこい」
と言って優雅に歩き出した・・
連れてこられたのは見知った廃屋・・
座れるところを見つけて座った・・
「さっきの話の続きだ・・お前から私の探している女のにおいがする・・
お前の近くに桜という名前がつくものはおらぬか?」
「さくら・・?」

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