淫らな月
そんな事を考えてると
マグカップにコーヒーを二つとクッキーをお皿に入れて
彼女が私のところに来た・・
私は居間のソファーに座っていた・・
コーヒーとクッキーを入れた皿をどうぞと私の前に置く
私はコーヒーはいつもブラックで飲む・・
甘いものがあれば最高・・
このクッキも「おいしい・・」
「本当?良かった・・私が焼いたんだよ」
と言いながら彼女もブラックで飲んだ・・
飲めるの?と思ってると
やっぱり苦~って言って渋い顔をしている・・
可愛い子・・
私にはない可愛さ・・
いなくなった彼も彼女のこういうところが好きなんだろう
好きな人には幸せになってもらいたい・・
そういう好きもあると思う・・
私もだから・・そんな事を勝手に思う・・
「あっお礼言ってなかった・・今日はありがとう・・
私・・篠崎美桜・・南高の2年・・よろしくね」
「私は高山梅香・・中央高の2年・・こちらこそよろしくね」
「ばいか?どんな字書くの?」
「梅に香る・・みおちゃんは?」
「私はうつくしいにさくら」
「うつくしいにさくら?ピッタリだね」
そんなことないよ・・名前負けしてるよ・・
と恥ずかしそうにつぶやく・・
今の子には珍しい控えめな子なんだな・・
「美桜ちゃんって・・あっごめん・・馴れ馴れしくて」
「全然・・私も梅香ちゃんって呼んでいい?」
「うん・・もちろん・・美桜ちゃんはいつも一人で帰るの?」
知ってるけど聞いてみる
「ううん・・いつも大ちゃんと・・えっと近所に住む・・
か、彼がいつも一緒なんだけど・・今日・・部の用事があって
他の高校に行ったから・・一人だったんだ・・」
「そうか・・彼がいないときは?」
「少し前までセイくん・・友達の男の子なんだけど・・がいたんだけど
アメリカに帰っちゃったから・・あとはいないかな」
アメリカに・・か・・遠くなっちゃったな
「そうか・・じゃあ彼がいなくて一人で帰るときは私に連絡して
一緒に帰ろう」
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