淫らな月
携帯を出してお互い赤外線で連絡先を交換してると
「ただいま・・」と誰かが帰ってきた・・
大地くんだ・・
「お帰り・・大ちゃん」
同棲してるの?二人は?
ソファーに座る私を見てギョッとした・・
「いらっしゃい・・えっと・・」
美桜ちゃんが大地くんに駆け寄って事情を説明したみたい
「美桜・・気を付けてよ・・駅で待ってればよかったじゃないか・・」
と少し怒られている
「ごめんね・・気を付ける」
大地くんは私のほうに来て
「今日は美桜を助けてくれてありがとう・・高山さん・・強いんだってね」
「梅香でいいよ・・大地くん、高山さんじゃなくて」
「じゃあ・・そうするよ・・」
にこっと笑う・・彼もカッコいい
優しそうな彼・・お似合いだ・・良かった・・何もなくて
「さっき美桜ちゃんにも言ったけど
彼女が一人で帰るときは一緒に帰るから
連絡して・・私・・放課後、暇だから・・連絡先いいかな」
携帯を出して彼とも連絡先を交換した・・
二人と友達になれたようでうれしかった・・
私は彼女がほぼ一人暮らしで前にも家の庭で襲われたことがあると聞いた・・
夜とか一人で大丈夫なの?一緒に住んじゃえばいいのに・・
と言ったら二人とも真っ赤になってた・・
彼の家が真ん前にあるから大丈夫と言っていた・・
彼も母子家庭で母親は遅くにしか帰ってこないそうだ・・
お母さんがいてもさびしいなと思った・・
夕食も一緒にと言われたけどまた今度と言って家を出た・・
二人の邪魔をしてはいけないし・・




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