淫らな月
帰ってきたら美桜がチョコを見つめて考え込んでいる
帰ってきた時にチョコの匂いがしたし、毎年もらってるから
隠すという意識が薄いのかもしれないけど・・
普通秘密にするんじゃないの?慌てて隠すとか・・
まあこれが美桜らしいところか・・
「美桜・・どうしたの?ボーとして」と後ろから抱きしめる
「あっ・・大ちゃん・・お帰り」
帰ってきたことすら気がつかれてないなんてちょっとショック
「チョコ見つめてどうしたの?
バレンタインまで普通隠すものだと思うんだけど・・」
とチュっとうなじにキスとする
「あっごめん・・」とチョコを片付けだした
今日は美桜を抱きたい・・
美桜を俺の方に向けてキスをする
キスの合間に
「大ちゃん・・夕飯は?・・」
「あとで・・今は美桜を食べたい・・」
「うん・・」
美桜の部屋で俺たちは愛し合った・・
シャワーを浴びたあと遅めの夕食・・
「美桜・・さっきチョコ見つめて、何考えてたの?」
「う~ん・・梅香ちゃんなんだけど
私が大ちゃんとセイくんにあげるって言ったら
自分もあげる人いないから一緒にあげたいって言って
梅の花の押し花のしおりとカードまで用意してたんだよ
でも帰るときになってやっぱり送るのやめるって
知らない子から送られても嫌だろうからって・・
その前までは本当に楽しそうだったのに・・」
美桜は首をひねって言う
「何かあったの?帰るときに・・」
「う~ん・・お兄さんが車で迎えにきたかな」
「迎えに?いつも来ないのに?」
「初めてかな・・もっと遅くなったこともあるのにね・・
お兄さんが来てからなんか落ち着かなくなって
やっぱり止めるって泣きそうな顔で言って慌てて帰って行ったんだけど・・」
「ふ~ん」
「大ちゃん・・梅香ちゃんさあ・・
セイくんのこと好きなんじゃないかと思うんだけど・・」
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