淫らな月

セイトside

僕は相変わらずアメリカでつまらない生活をしている・・
日本での生活が楽しすぎたせいだろうが・・
彼らにあった16歳の夏・・久しぶりに学生気分を味わった
楽しかった・・
アメリカに小学生になる前に渡って
僕は外見でいじめられるということは無くなった
しかしうるさく付きまとわれることが年齢を重ねるごとに多くなった
そして頭のよかった僕は飛び級で高校を15歳で卒業してしまった
そのために高校生活や同い年の子と触れ合う機会が少なくなってしまった
心許せる友達がいないのも事実・・
去年の夏は夏休みに合わせて帰って大地たちと遊んでもらった
また今年の夏も行きたいと思っている・・
夏休みに合わせて帰るか・・
また新学期に合わせて帰ってしばらくいるか・・
いっそのこと日本で暮らそうか・・
嫌な事しかない・・逃げるように捨ててきた故郷なのに
あの数か月で僕は日本が好きになってしまった。
あの二人のおかげだと思う・・
仲良くやっているかな・・って・・
なんて言ったって美桜はばかだからな・・
危機感がまったくない・・大地は大変だろう・・
青からは何もない・・死んではいないと思う・・
でももう猫にしては相当な年だ・・19歳ぐらいか・・
桜花には会えたのだろうか?
僕はあの子にまだ会えない・・
せめて青には会ってほしいと思う
そんなことを考えながら家に帰ったら小包が届いていた・・
あっ美桜からだ・・バレンタインデーか・・
アメリカは女の子からということはない・・
男が大枚をはたいてデートをするそうだが・・
僕には経験のないことだが・・
誰かに気にしてもらっているのはうれしいこと・・
美桜からの包みを開けた・・
綺麗にラッピングしたものが2個・・
一つは美桜から・・
まさか一つは大地からじゃないだろうな・・
怖いもの見たさでもう一つを開けた・・梅の花の押し花?しおりか?
綺麗なカードに女の子のかわいい文字・・
良かったら食べてください・・そう書かれていた・・
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