淫らな月
逃げ出したい…
醜い私…今は変装してるけど…
美しい彼の前に出れるものではない…
顔が上げれない…匂いがしない…
彼が帰ってくるのは夏…今は冬だし…
もしかして違う人かも・・と気を取り直して顔を上げた…
うっ近い・・目の前に綺麗な青い眼があった…
にやっと妖艶に笑う
「美桜…この子?…僕にチョコ…くれたの…」
「ふふ…そうだよ…セイくん…
お友達の高山梅香ちゃん…」
美桜ちゃん・・チョコ…送ったの?…
あの満月の夜から来てなかった…
美桜ちゃんの家に…
「美味しかったよ…ありがとう…」
とスマートに手を差し出す…
さすがアメリカ育ちだ…
私は手の震えを気にしながら握手した…
これで最後だろう…彼とも触れ合うのも…
最後に神様がご褒美くれたのか…
そう思ったら覚悟を決めた…
二時間ぐらいのこと…
楽しもう…と

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