淫らな月
なんだか意味不明な慰めを言ってしまった・・
「う、うんそうだよ・・部が大変なんだ・・
美桜が大変ということではないよ」
優しい声で大地くんが慰める・・
「本当?大ちゃん・・」
「うん」
「よかった・・大ちゃんに迷惑かけてるなんて嫌だもの」
美桜ちゃんは涙を拭いながら笑った・・
これで納得するなんてなんて素直で可愛いんだ・・
そしてそれを愛おしそうに見る大地くん
いいなあっと思って眺めていた・・
ふと彼を見た・・ずっと盗み見はしてたけど・・
バッチリ目が合ってしまった・・
なにか怒ってる?
美桜ちゃんの話・・途中で変な方向に行ったことかな
「ところで、何で君は僕にチョコを送ってくれたの?」
唐突に聞かれた
「えっ・・私・・
誰もあげる人いないから美桜ちゃんと一緒にあげてみたくなっただけ・・」
「あ・・そうなの・・会ったことがあるからくれたのかと思った・・
僕の勘違いかな?今の君は全然違うけど・・」
勘づいてる?まさか起きてた?
「会ったこと・・ないよ」
「そうなんだ・・じゃあさあ・・勘違いって証拠を見せてよ・・その髪・・
かつらじゃないないってことを・・」
「かつら?かつらなの?梅香ちゃん・・」
起きてたんだ・・見てたんだ・・
ずっと気がついていて・・いつ?
私は彼をじっと見た・・
彼は頬杖を付いて私を見る・・
すごく意地悪・・
本当の姿を見せたら・・きっと嫌われる
「い・・嫌・・やっとやっと友達になったのに・・」
私は涙を流す・・
「君が望むのはうわべだけの友達なの?この二人は大丈夫だよ
本当の君の姿を見せても受け入れてくれる」
「そんなの・・そんなの分からないじゃないか・・」
「大丈夫だよ・取ってみて」と言いながら私を見る・・
許してはくれない・・強い眼差し・・
綺麗だから余計に怖い・・
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