淫らな月
私は高山梅香(ばいか)高校2年
父は一族の長
短命なこの一族で父も例外ではなく今・・体調を崩して床に臥せっている
母も私がまだ小学生になる前に死んでしまった。彼女はまだ30ぐらいだったとそうだ・・
色が白く・・美しい母だったと覚えている
兄は病気の父を支え、次期一族の長として一族を束ねている。
だれも兄には逆らわない・・

私たちの言い伝えがある・・一族の成り立ちの・・
私たちの一族は遠い遠い気の遠くなるような昔・・
とても綺麗な男の人の子供から始まる・・
その男は美しいために誘われるままに色んな女と関係したそうだ・・
戯れに・・すくなくとも男は・・
避妊という知識もない時代・・その中の何人かは妊娠したそうだ・・
だが男は愛する人を見つけた・・
それは禁じられた愛だった・・女は亡くなったそうだ・・
理由は分からない・・語り継がれる間に抜け落ちてしまったんだろう・・
女を失った悲しみのため男は病に掛かり亡くなってしまった・・
不思議な能力を持った人だったそうだ・・
その子供たちが母親たちの特性も合わさり一族を作っていった。
大まかには猫族と犬族だが・・
男は婚姻していた・・短い間だったが・・
妻が産んだ子供は猫のような特性を持っていた
頭の良さ・・跳躍力・・黒い髪・・暗闇で光る眼
何より優雅な身のこなしが黒猫を思わせた・・
その一族は母親が権力者の娘だったこともあり中央官僚を代々務めた

そして犬族はその性格の真面目さと従順さとで補佐役として猫族を助けてきた…

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