淫らな月
私は高校卒業までは日本にいようと思った
語学のこと・・
美桜ちゃんのこと
お父さんの体のこと
青も多分・・もうすぐ・・
これらのことを理由に
私は彼に卒業まで日本に残りたいといった
彼とは離れたくないけど2ヶ月に一度ぐらいは
お互い行き来すれば会えるし、三ヶ月半ごとに夏休みだの
冬休みだのがあるじゃない・・
その度に私・・アメリカに行くから
という私に
「そうだね・・一年なんてすぐだし」
と笑顔で許してくれた・・
なんかこんなものと・・
もっと何か言われるかと思ってたのに
私はアメリカから帰ってきて
もとの生活に戻った・・
兄との関係は兄妹だけの関係になった
小夜さんの幸せそうな顔・・
彼女を見つめるお兄さんの優しい眼
新しく夫婦としてやっていけるだろう・・
美桜ちゃんと大地くんは相変わらず仲が良く
卒業後は大地くんは都内の有名大学の工学部に入学すべく受験勉強を始めた
美桜ちゃんは管理栄養士になるために
都内の短大を受けるそうだ
ここから通うのは大変だから
都内でアパートを借りて一緒に住もうと言っていた
私は美桜ちゃんに護身術を教えている・・
彼女に人を殴れるかと言うと無理だろうけど
美桜ちゃんに何かあったら
大地くんが悲しむからねと言って
自分で身を守る重要性を教え込んでいる
最悪の事態を避けるために…
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