淫らな月

~セイトside~

梅香の家に乗り込み
お兄さんである誠一さんと対決する気満々で行った…
この家の主である高山博士より
偉そうに真ん中に座る青に
懐かしさとおかしさを感じ
戦闘意欲が薄れていくのを感じていた・・
博士の斜め横に座る誠一さんの顔を
見ることで怒りを新たにした・・
梅香をあんな恥ずかしい格好で
何回も犯しやがって・・
梅香にいやらしいことをしていいのは
・・僕だけなのに・・
僕は彼を梅香を決別させるべく
結婚のこと、アメリカへ連れて行くことの
了承を得ようとした・・
やっぱりこの男が反対した・・
外見に騙されているとまで言われた・・
どうして梅香にこだわる・・
病気の博士には申し訳ないが
梅香と僕のこれからのためにも
膿は出させてもらう・・
彼に問いただした・・満月の夜のこと・・
理由は何かあると思っていたが
そこには悲しい理由があった・・
彼は過去の罪に囚われていた・・
愛する人を犯したという・・
でもそれは誤解だった・・
彼を敵視する気持ちは僕の中から薄れた・・
十年以上も罪に囚われていたことを
気の毒に思った・・
これからは幸せになってもらいたい・・
もちろん梅香以外とだが・・
パスポートがない梅香のせいで
一週間も待たされた・・
彼女のこれまでを考えると無いのは当然だけど
困った顔の彼女が可愛くて
呆れたふりをしてみた・・
彼女は気がついてないかもしれないが
眼だけはカラコンとかで隠すように言ったけど
変装をやめ、誠一さんとのことも決着がつき・・
何より僕が毎日愛してる彼女は確実に美しくなった・・
というより前から美しいのを
隠してただけだけど・・
男たちの視線が気になる・・
獲物を見るような眼で見ている奴もいる・・
大地の気持ちが今・・分かったよ・・
でも梅香は自分で身を守れる・・まだ安心だ
・・父に彼女を紹介した・・
父も頭の良く礼儀正しく控えめな彼女が
気に入ったようだ・・
彼は僕のことがあるから
彼女の容姿に偏見がなく綺麗な子だ・・
容姿で苦しんだお前にはぴったりの子だと
喜んでくれた・・
父は気に入ってくれるとは思ってたけど
良かったと思った・・
ーーあ~気に入らないーー
彼女が研究室で僕の助手と仲良く話している
あの男・・耳元で話すなよ・・
彼女も愛想笑いをしている
気に入らない・・
小声過ぎて僕でも聞こえなかった・・
そして僕はまた不機嫌なのを彼女に分からせる・・
今日はいじめるその理由にしてやろう・・
ブラックな僕・・

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