淫らな月
私は「去年のちょうど今頃・・
青に頼まれてあそこに桜を埋めたんだ
どうやってここまで来たんだろう?
ごめん・・青を桜と一緒に埋めて欲しい」
と大地くんにお願いした
3人は家から持ってきたスコップと
墓地の管理事務所から借りたスコップで
穴を掘った・・
一年前桜の亡骸を野犬とかに
傷つけられたくない私は結構深く掘った
・・2mぐらいかな・・
そして木の箱に入れて埋めた・・
しばらくしてあった・・そう聞こえた
私はさっきスコップを借りる時に
赤ちゃん用の柩を譲ってもらっていた
そこに青と桜を一緒にして埋めてあげたい
・・そうお願いした・・
桜の遺体は彼女がいつも使っている毛布に
くるんで埋めた・・
遺体は当然骨のはず・・
大地くんが木から少し離れたところにいる
私たちのところに走ってきた・・
「梅香ちゃん木の箱の中が桜という猫なんだよね・・一年も前に死んだんだよね」
「うん・・そう・」
「それが・・骨になってなくて綺麗なんだよ
・・寝ているみたいに」
私は木の下に行った・・
毛布にくるまれた桜の遺体を見た・・
それは綺麗な桜のまま・・だった
不思議なこと・・
「信じられない・・こんなことって・・」
青と不思議な桜の遺体は
一緒にして埋めてもらった
私は早く青と桜を一緒にさせてあげたいと
思った・・
青の言葉を信じるならだけど・・
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