淫らな月
私は気づかれないように観察を続けた・・
青い眼・・黒い髪・・
なんて綺麗なんだろう?
自分の赤い眼・・赤い髪・・

悲しくなった・・
相反する色・・うらやましい・・
私もあの色だったら・・
彼から目が離せなくなった・・

帰る彼らの後を屋根づたいに後をつけた・・
素敵な洋館だった。

家に帰ってからも彼の事が頭から離れなかった・・
彼に触れてみたい・・

寝てる時にこっそり忍び込めば・・

考えているとだんだん気が大きくなった・・
触れれるんだったら・・
出来るかもしれない・・お兄さんが作っている睡眠薬を使えば・・
満月はもうすぐ・・
私の初めての相手はあの子がいい・・
眠っている間にしてしまえばいい・・後始末をちゃんとすれば気が付かれないだろう
男の子ははじめては早く終わらせたいと聞くし、あんなに綺麗なんだからもう済ませているかもしれない
自分勝手な考えが浮かぶ・・

私は必要なものをリュックにつめ、夜中、彼の部屋が見える少し離れた家の屋根から観察した。
幸い今は夏・・窓を開けている・・良かった・・窓が閉まっていたら何もできなかったじゃないか・・
そんなことすらも考えてなかった・・
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