淫らな月
青を埋めて花を添えすべてが終わった・・
そして彼が私の前に片膝をつける格好でいる
いわゆる求愛のポースという格好で
彼がやるとまさに王子様だけど・・
「セイ・・やめて・・みんながいるのに」
私はそう言った・・
ほんの少し前の私なら嬉しかった・・
でも今は…
「日本に来てから君が僕を避けているのは
分かってる。理由は僕が君との結婚、
アメリカに来て欲しいと急ぎすぎた
せいかと思っている・・
18歳になったらすぐにでも結婚したいという
僕の気持ちは変わらない・・
結婚して欲しい
君が結婚はまだ嫌だというなら
待つつもりだよ・・
それとも別の理由?ほかの男が良くなった?
僕より誠実そうな隣の男・・斉藤だっけ・・
彼のような男が良くなった?」
私は彼から眼を反らせて
「違う・・あなたが結婚なんていうのは
…昔の私とのことが
衝撃的すぎて再会して盛り上がっただけだと
思う・・
青の生まれ変わりは
あなたの子供ということで
私とのということではないんじゃないかって
結婚の話をしに行ったから
青は私とのと思ったんだよ・・
あなたが他の子達と仲良く話すのを見て
あなたは私とでなくて…
もっと普通の綺麗な子の方が合ってる
と思ったんだ・・」
「他の子達って?」
何を言ってるの?とぼけなくていいのに・・
「佐野さん達だよ・・休み時間のたびに来て
話してるでしょ
佐野さん綺麗だから付き合ってるって噂だよ
だからほかの子はもう来なくなったでしょ」
彼は少し考えて
「そう言えばそうだな・・同じメンバーだ
あの子が佐野っていうのか・・
髪の長い子だよね
うるさいんだよな・・あいつらのせいで君の
ところに行けなくて・・迷惑だったんだ・・
君が嫌なら来るなって、言うよ・・」
「・・そんなこと言わなくていいよ・・
セイも冷静になって考えて・・
私とあなたは・・釣り合わないよ・・」


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