淫らな月
私は彼の顔を両手で包み・・
涙を親指で拭った…
「嫌いになんてなるわけないよ・・大好き
私もセイが初めて好きになった人だよ・・
多分これからも・・
セイ以上の人なんて出てこないもの
だから私なんかでいいのかと思ったんだ・・
私みたいに色んなことがなくて
素直にセイと話せて幸せ・・って顔をした
彼女たちの方がいいんじゃないかって」
「君は僕を不幸にしたいの?」
私は頭を横に振る
「幸せになって欲しいから
私じゃないほうがいいと思って」
「・・・僕は幸せになりたい・・・
君が僕のそばにいないとダメなんだ
・・・愛してる・・・
わかってくれるまで何度でも言うよ・・」
彼は私の顔を両手で包みキスをする・・
私は彼の顔を包んだ両手を彼の首に回す・・
長いキスが終わったあと
もう一度名残惜しそうにキスをする
「あ~ダメだ・・我慢できない・・
これから僕の家に来れる?泊めれない?
・・・ねえ梅香?ねえ・・・」
私だって一緒にいたいけど
「連絡すれば大丈夫だと思うけど・・
恥ずかしいな
小夜さんからお兄さんに伝えてもらおう」
私は小夜さんにメールした・・
そして彼と手を繋いで
ここからはかなりある道のりを歩いた・・
朝の空気が気持ちよかった・・

ーー1時間ぐらい歩いて彼の家についたーー

彼にうながされて家の中に入った・・
彼がコーヒーを入れてくれるというので
居間で待っていた・・
ソファーに座っているしばらく待ってると
コーヒーとクッキーを持ってきたくれた・・
クッキーは美桜ちゃんの特製・・美味しい
コーヒーも・・美味しい・・
そう呟きながら飲んだ
彼が何か持ってきた・・
そしてまたあのポーズ・・
「もっと早くに渡せば良かったんだけど
会えなかったから」
「私に・・」「もちろん・・」
私は受け取った
その箱を開けた「可愛い・・」
梅の花がデザインされた指輪だった
「婚約指輪のつもり・・してみて・・
・・左の薬指だよ・・」
ぴったりだった・・「ありがとう・・セイ」
「喜んでくれた?」「もちろん」
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