淫らな月
月曜日は学校
憂鬱…だなぁ…
家を出たら彼が待っていた…
「おはよう…」と声をかけられ
「えっ…おはよう…どうしたの?」
「どうしたのって一緒に行こうと思って…」
一緒に行ったら大変なことになりそうだけど
私と彼とが一緒になんて
嫌だと言うと後が怖いから黙ってよう…
一人のときに聞かれたら
駅が同じだから偶然一緒になったと言えばいい…
そんな思いは学校の最寄りの駅に着いた時点で
諦めた・・
電車の中では並んで乗っていただけなのに
手を差し出すから「何?」って聞いたら
「手をつなぐに決まってるでしょ」
全くなんで分かんないの?
美桜のバカがうつった?
てまたブツブツ・・
いないところでまでバカよばわりされる
美桜ちゃんって気の毒・・
早く~という彼と手をつないだ
これって恋人つなぎ
あ~・・嬉しいような・・
でもなんか罰ゲーム?
変装して地味子の私が彼となんて・・
・・絶対嫌がらせされるでしょ・・
「・・ちょっと、セイ・・
目立ってんだけどどういうつもり?」
彼は怪訝な顔をして・・
「いちいち言うの面倒でしょ・・
朝の登校時って一番目立つでしょ・・
君の地味子の学校生活は無くなったかもね」
って笑ってる。もしかして意地悪されてる?
離れようとしたから・・?
やりそうだけど・・
・・みんなの視線が痛い・・
なに彼に全然似合わない・・
なんであんなさえない子がって聞こえる・・あ~平穏な学校生活が音を立てて崩れてく
彼が立ち止まって私のメガネを取った・・
「何をするの?セイ」と言う私に
「やっぱり外して・・梅香は美人なんだから
外しても眼の色わからないよ・・
化粧品は?梅香?」言う彼・・
持っているものと言えば
色付きリップとBBクリームぐらい
うながされてリップ出して塗った・・
さあ行こうというので手を繋いで歩いた・・
みんなびっくりしてたけど
変な悪口はもう聞かなかった
隣の子・・誰?あんな子いた?
と言うのは聞こえたけど




< 97 / 154 >

この作品をシェア

pagetop