淫らな月
「高山さんも大変だね・・
彼と付き合ってるの?」
「うん」
「彼に僕・・よく睨まれていたんだよね
話したこともないのに変だと思ってたんだ
君と仲良くしてるのが気に入らなかったんだ
…納得・・彼も妬くんだね・・
人間らしいところもあるんだ」
と一人感心している・・人間らしいって・・
まあ彼は普通じゃない気がするもんね・・
普通じゃないけど
興味があるのか
「いつから付き合ってるの?」
「今年の2月から」
「え~彼ってアメリカにいたんじゃないの」
「いたよ・・」
「どこであったの」
「前から知ってた」
無難な答え、嘘じゃないし
「まだ付き合って2か月しかたってないんだ」
「そうだね」
「彼・・モテるから心配でしょ」
「うん・・そうだね」
「浮気したら別れる?」
「彼がそっちがよくて別れてって言えば」
「彼って転校してからずっとほかの子と
仲良くしてたのは平気だった」
「ううん・・しょうがないかなって
・・彼女たちわたしよりかわいいし・・」
ごめんね斉藤君・・
「・・やけにあっさりしてるね・・
僕は高山さんのほうが彼に合うと思うし
なにより彼は君にベタぼれだよ」
「ありがとう斉藤君」
私だけ聞かれるのも・・私も聞きたい
「斉藤君って好きな子いるの?」
「えっ・・」顔が赤くなってそして
暗い表情になったような気がする
気のせいかな・・
「・・いるよ・・腐れ縁みたいなやつが・・
でもそいつ顔が良ければ
だれでもいいみたいだから・・」
「斉藤君だってイケメンで頭もいいじゃない
・・彼女だって・・」
「僕は・・顔だけでくる子はいやなんだ・・
中身を好きになってほしいんだ・・」
「でも・・彼女が本当にそうだか
わからないんじゃないの?」



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