ある冬の日
6クラス分の椅子を並べるのも、人数が集まれば案外早く終わった。
「ありがとな手伝ってくれて。助かった」
作業が終わりさとちゃんがうちに言った。
「別に、暇だったし」
体育館後方を見る。
まだバスケやってる。
あいつらも実はみんなひとりぼっちなんだ。ただ寂しくて集まってるだけの集団。ほんとは強がってるだけ。なんかうちと似てる。
大丈夫、変われるよ、きっと。
チャラ男たちを見て心の中で言った。半分は自分自身に言い聞かせるために。
「もうすぐみんな来るからちょっと待ってろ」
「え」
「お前も練習参加しとけ。なんだかんだ言ってあいつらも参加するからさ」
さとちゃんはバスケしてるチャラ男たちを見てうちにそう言った。
そしてさとちゃんは他の先生に呼ばれてうちの側から離れた。
ヒマ、ちょー暇。
まだ学年のみんなが来る気配がなくて、うちはとりあえず近くのパイプ椅子に座る。