ある冬の日
そしてスクバからケータイを取り出していじる。
「坂口さん携帯電話はそもそも学校に持って来ること事態校則で禁止されてるっていつも言ってるでしょ。預かります貸しなさい」
でた説教ババア。
「は?」
マジうぜーのが来た。てか何なんだよ毎回毎回校則校則って。変な正義感もってんじゃねーよ。お前ただの音楽教師だろ?担任持ってるわけでも学年主任なわけでも生徒指導やってるわけでもねえのによ。
いつも上からものを言うなって。
『は?』という言葉を発してからこのうちらの学年の音楽の教科担任の顔を見上げるまでに、こんなにもたくさんの言葉が頭の中で組み立てられた。逆にすごい。
教師の中でこの女教師の女子ウケはうちらの学年ではワースト1位。女が嫌いな女ってやつ。いっつもガミガミうるさいし、特に女子生徒の校則違反に対して厳しすぎるんだよほんとに。
マジうぜーよババア、ちょっとは男子の校則違反も注意したらどうなの。
ほら、あのバスケ集団も髪染めてるし制服着くずしてるし。あれ完全に校則違反でしょ。
てかさ、隠してるだけでケータイなんてみんな持って来てるっつーの。
それにあんたは気づいてないかもしれないけど授業中でもケータイいじってる子うちのクラスに居るし。
なにもうちだけじゃないっつーの。
「こら坂口さん待ちなさい」
音楽教師なんてシカトしてうちは体育館を出ようと歩きだす。
もう卒練とかどうでもいいや。