ある冬の日



みんなとの距離があっという間に縮まればいいのに。



今日から卒業までの間で、一体何が出来て何が変わるっていうの。



みんなと仲良くなりたい。




毎日がものすごいスピードで、でもゆっくりと通りすぎてくなかで、ずっと思ってた。



でもそのことばかり意識してたら、いつも空回りでうまくいかなくて、だからもう意識するのやめた。



そしてひとまず輪の外に出た。



そしたらもう輪の中に戻れなくなった。



こうなる事は最初からなんとなく理解してた。



そこからうちは、何もかも諦めて全部放り投げたんだ。



やっと学年主任の話しが終わったようで、ようやく卒練が始まった。



どうやらうちは、あの時の後悔を受け入れるのが少し遅すぎたみたい。



たぶんこのどうにもならないもどかしさは、中学を卒業した後も長い時間引きずる気がする。



時間は、戻らないし巻き戻せない。なのに止まりもしない。ただ進むだけ。



だったら強くならなくちゃ、うち。



もっともっと強くならなくちゃ。



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