ある冬の日



『3年生に連絡します。昼休み後、5時間目の授業は体育館で卒業式練習を行います。え~、ですので遅れないよう集合してください』



昼休みまっただ中、ストーブが点いた暖かい教室の自分の席でいつものように読書をしていると、校内放送が流れた。



さっきまで友達同士で喋っていたクラスのみんなも、校内放送が流れている間はそっと静かになって放送に耳を傾けている。



そんな様子は端から見ているとちょっと笑っちゃう。



だって全員じゃないけどここにいる人ほとんどが黒板の上につけられているスピーカーを見てるんだもん。



私は視線をクラスのみんなから今読んでいた本に戻した。



校内放送は繰り返しまた同じことを伝えている。



そもそも今日の5時間目卒業式練習だってこともう知ってるし。



昨日帰りのHRで島野先生が言ってたし、それに今日の朝のHRのときだって同じこと言ってたから、島野先生。



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