ある冬の日



「えっ!?あ、そっかもうすぐバレンタインか。受験勉強ですっかり忘れてた。でもあたしは今年もいないよ。梨華はもちろん彰斗君にでしょ?」



「うん。まあね!」



「いーなあ相変わらずラブラブで」



そんな会話をしていたら、あっという間に教室に着いた。



「みんなおはよ~!」



梨華がすでに教室に来ていたクラスメイトたちに言った。



梨華はいつも朝からテンションが高い。



そんな子。



教室の中はストーブが点いていて廊下よりも暖かかった。



あたしは自分の席に荷物を置いてマフラー手袋セーターを脱ぐ。



セーターを脱いだとき、バチバチと音をたてた静電気が起こった。



そしてスクールバッグからハンドクリームを取り出して手に塗った。



さ、勉強しよ。



朝のHRが始まるまでまだ少し時間があったからあたしは自分の席で受験勉強を始めた。



梨華は他の子としゃべってるし、あたし以外にも自分の席で勉強してる子いるし、大丈夫、だよね?



あたし今この教室で浮いてないよね?



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