ある冬の日



みんなだって知ってるはずだよ。だからこれってわざわざ校内放送で呼びかけることでもないと思う。



「嘘!?卒練あんのかよ」「マジか、せっかく5時間目の数学寝れると思ったのによー」「くそだり~」



校内放送が同じ内容を繰り返し伝えている最中、クラスの男子たちが5時間目の卒業式練習についての不満を次々口にしていた。



っていうか知らなかったのかよ、今日の卒業式練習のこと。



私は思わず心の中でその男子たちにツッコミを入れてしまった。



校内放送が終わると、教室の中はまたみんなの喋り声でざわつき始めた。



外は相変わらず寒いし、クラスのみんなも今の時期はほとんどの人が昼休みの時間も教室で過ごす。



廊下が寒いからなのか、他クラスへ遊びに行く人も、トイレで長々とガールズトークする女の子たちもあまりいない。



冬休み前まではクラスの女の子たちはほとんどの人が休み時間とかになるといつも教室にいなくて、



ただでさえ男女比率で女子が負けてるのにみんなどっか行っちゃうからずっと前、休み時間のとき教室に女子は私1人だけのときがあった。



あのときは寂しかったな。



……なんか、いつも以上に孤独だった。



気がする。



ほんと、休み時間なんて無くなればいいのに。



< 110 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop